高度な刺激社会には、楽しいことならいっぱいあるのに、それでも本を読む理由。読書と生きる力はどこでつながるのかを問い直す試み
著者 |
齋藤 孝
著 |
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出版年月日 | 2011/05/19 |
ISBN | 9784479793175 |
判型・ページ数 | 四六 ・ 200ページ |
定価 | 1,430円(本体1,300円+税) |
およそ人類が到達してきた思考は、きわめて深いのである。それは、地層の奥深くを流れる清らかな地下水のようなものといえるだろう。
それに比べれば、私たちが日常的に直面するトラブルは、川の水面の濁り水にすぎない。たしかに飲めば苦いが、深く潜れば清流がある。要は、それを知っているか否か、潜る術を身につけているか否かが大事なのである。
その能力を授けてくれるのが、読書である。活字を目で追うのは疲れるし、時間もかかる。その意味では、まったく今風ではない。しかし、その忍耐を越えることによって、初めて清流にたどり着けるのである。
――「はじめに」より
「本は偉大な師にも友にもなり得る。その交わりの深さ、影響の大きさは、生身の人間との交流をしのぐかもしれない」と断言する著者の経験と、鋭利な視点を通して、“読書と生きる力はどこでつながるのか”を問い直す試み。