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センス・オブ・ワンダーを探して

センス・オブ・ワンダーを探して

センス・オブ・ワンダーを探して

生きてるってどういうこと?科学は人を幸せにできる?子ども時代の出会いと感動に導かれ、世界を再び発見する、感動の対談!

著者 福岡 伸一
阿川 佐和子
出版年月日 2011/10/21
ISBN 9784479392163
判型・ページ数 四六 ・ 256ページ
定価 1,540円(本体1,400円+税)

目次

子どもだけに見えるもの 福岡伸一

1章 子ども時代は不思議の入口

生命の不思議への扉を開いてくれた本
子どもがセンス・オブ・ワンダーと出会うとき
知ることは、感じることの半分も重要ではない
ルリボシカミキリの青に魅せられて
虫に名前をつけるよりも大切なこと
「僕は生物学者になりたいんです」
卵から蝶を育てる
洋服ダンスのうしろの世界へ
勉強よりも体験の中の記憶が残る
生物学の内包する自己矛盾
死をコレクションしても、生命のことはわからない
ファーブルは批判精神に満ちた反骨の人だった
個体発生は系統発生を繰り返す
損なわれた輝きを補い支えるものとして


2章 生きているとはどういうことか

昆虫学者から遺伝子ハンターへ
遺伝子を自由に作り替えられるハサミと糊の発見
人類と細胞の終わらない戦い
大腸菌は人間を守ってくれている
抗生物質は腸内細菌の邪魔をする
雑菌のコロニーも役に立つ
海外旅行に行くとどうしておなかを壊すのか
二重らせんの発見がすべてのはじまり
新しい遺伝子はどうやって見つけるのか
遺伝子のパーツを無効化された「ノックアウトマウス」
シェーンハイマーは何を見つけたのか
私たちが食べたものはどこへ行くのか
「ダイナミック・ステート」──動的平衡の発見
ノックアウトマウスが教えてくれたこと
ピースの欠落を周囲のピースがフォローする
ブラック・ジャックのメスはどこまで切ればいいのか


3章 科学の進歩は人間を幸福にするのか?

医学の進歩は私たちの寿命を両側から縮めている
花粉症の薬で花粉症は悪化する
ひとつの遺伝子ですべてが決まるわけではない
周囲への気配りも動的平衡
がん細胞は空気が読めない
GP2は体を菌から守る門番だった
二十年かけてようやくひとつの遺伝子の役割がわかった
狂牛病は人間が牛を狂わせた人災
低コスト化と人間の驕りが招いた惨劇
種の壁を越えるウィルスの変異
狂牛病が日本に飛び火した理由
分をわきまえない身勝手さが動的平衡を崩した


4章 私たちが見ているもの、見えなくなっているもの

顕微鏡の父、レーンウェンフックの功績
レーンウェンフックと友達だったかもしれない画家
フェルメールは分子生物学の父を描いたのか
ミクロの世界の扉は開いたけれど
謎めいた絵が語る真実
切り取られた絵で見えなくなるもの
細分化された世界からは大きな物語が見えてこない
世界がどうなっているかを解像度の高い言葉で記述するのが科学の仕事
生命でさえも商品化できる時代のジレンマ
『ちいさいおうち』には戻れないとしても
文明のあり方を考え直す時期にきている
人間が文明を発達させたわけ
文明の先に幸せはない
科学には不可能もあると教えるのが、本当の科学
人間はこれからどこへ行くのか
本当は人生に荷物なんかいらない


5章「自分だけの物語」との出会い

なぜドリトル先生が気になるのか
子どもを子ども扱いしない大人との出会い
いい先生との出会いもセンス・オブ・ワンダー
一人前扱いされることでコンプレックスから解放された
この美しさの価値は自分だけが知っている
バージニア・リー・バートンが「かつら文庫」で描いた絵
日本で「ドリトル先生」が残ったわけ
「ドリトル先生」と『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
一人称の違いで世界が変わる
「ドリトル先生」は少しずつ変化していった
『1Q84』は遺伝子の物語なのか?
人間は心のどこかで支配されることを望んでいる
村上さんもきっと物語のオーラを浴びている
物語を語るために大切なこと
文体が紡ぎだす新しい物語


6章 再び世界を繋ぎ直すために

死ではなく生を見つめる生物学者に戻りたい
分ける生物学から繋げる生命学へ
理系でも文系でもないナチュラリストになるために
理系と文系の知を繋ぎ合わせる新しい生命学
バランスを考えた新しい生物学を語りたい
想像力と洞察が科学を補う
今西錦司にはドリトル先生のような自由さがある
突然変異でキリンの首は長くならない
遺伝子は運命を百パーセント決めはしない
ダーウィニズムと宗教の対立
なぜ動的平衡は主流にならないか
多田富雄さんの志を継ぐために
子ども時代に余白を楽しむ時間を
人間はやがて急速に廃れていく
センス・オブ・ワンダーを思い出しながら

大人のセンス・オブ・ワンダー   阿川佐和子




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