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BODY SHARING (単行本)

BODY SHARING

BODY SHARING (単行本)

サイバーとリアルが融合する時代に未来をつくるための思考と実践とは。身体・体験共有の技術を実装する情報工学者のテクノロジー論!

著者 玉城 絵美
ジャンル 文芸・人文  ・ サイエンス
YA図書・児童書  ・ YA図書
出版年月日 2022/03/24
ISBN 9784479393771
判型・ページ数 四六 ・ 320ページ
定価 2,090円(本体1,900円+税)

目次

序章 誰か一人の体験が世界を輝かせる
■体験共有による人類としての進化
■シングルスレッドライフからマルチスレッドライフへ
■感覚情報の共有
■TikTokは未来を示す
■固有感覚の伝達
■HCI(Human-Computer Interaction)
■BodySharingとSociety5.0

第1章 感覚伝達とインターフェース ——新しいメディアの創造
■人とコンピューターの境界——インターフェースの歴史
■人は体験を伝え合い進化してきた——人類と感覚伝達の歴史
■世界に作用するための「固有感覚」
■体験は人間と人生を変える——入院生活で出会った人びと
■手術後の覚醒、プログラミング、複雑系工学
■筑波大学のBodySharing原型ロボット
■ロボットから人の探究へ
■意識を移動する——体験共有と体験蓄積を可能にするもの
■自分の身体と感じるために——身体所有感と身体主体感
■ラバーハンドイリュージョン——拡張する身体感覚
■共鳴する感覚が臨場感をもたらす
■車、ラジコン、ゲームのキャラ——操作における視点とリアル
■身体所有感と痛み——アムロはなぜ叫ぶのか
■ヴァーチャルとリアルの区別ができなくなる

第2章 BodySharing ——体験を入出力する未来のデヴァイス
■BodySharingとはなにか
■テレイグジスタンス、テレプレゼンスロボット、アバター、人間拡張
■マスタースレイブ方式——マテリアル・ガールでいい時代?
■プログラミング、「フジ子さん®︎」、BodySharing
■人はインプット・アウトプットで出来ている
■人の学習サイクル——試行錯誤と反省の「閉回路理論」
■世界をデータ化し、出力せよ——センサとアクチュエータ
■マルチタッチパネルの革新性
■パソコンでなく人間の性能が問われる時代
■変化する情報入出力の場所
■「体験の蓄音機」と「こっくりさん」
■『マトリックス』のスミスがみんな自分に変える理由?
■PossessedHand——憑依される手
■UnlimitedHand——ヴァーチャル空間に触れる手
■FirstVR ——私のすべてをデータ化するセンサ
■FaceSharing——私らしさを遠くに伝える
■HoloD——自分の存在感だけをオフィスへ
■ジブンハウスとBodySharingのある家

第3章 サイバーとフィジカルが融合する世界
■労働から解放された先に人間が望むもの
■Industry4.0とSociety5.0 ——テクノロジーの側面からみた社会構造の変化
■スマートシティ——データで社会課題を解決する都市
■UberのようにBodySharingする未来?
■個人の知をみんなのものに——サイバーとフィジカルの融合
■Society5.0の背景——科学技術の衰退と再建
■オープンイノベーションから「個の解放」へ
■知的資本主義、ビッグデータ、無形資産
■ムーンショット研究開発制度とは
■NASAのイノベーションモデルTRLの10段階目
■アバターを用いた「新しい生活様式」
■人間拡張とBodySharingの違い
■脳のインターネット——BMIの基礎
■イーロン・マスクの特異性
■侵襲型BMI開発の裏には何があるか
■集合知は監視社会?

第4章 変容する脳と身体——ポストヒューマンへの解放
■アンドレ・グーラン——身体機能の「外化」が知性をもたらす
■すべての年齢の子供たちへのパーソナル・コンピュータ
■ホムンクルスが示す研究の未来
■第3の手は誕生するか
■人間が複数のアバターを操るために
■エンハンスメント——テクノロジーで脳を鍛える
■脳からの解放——スキルをインストールせよ
■テイヤール・ド・シャルダン——知性の進化のその先に
■鳥のように飛び、チーターのように走る未来? あるいは蛾のロボット
■人間は動物の身体を使いこなせるか
■牛になって搾乳される ——人間には無い感覚の共有
■生理の体験共有でジェンダーを超えられるか
■千手観音、ホモ・ムルタ

第5章 溶け合う心と知の変容——データ駆動社会における能動的誤配と自由意志
■人間の多様性はインターフェース次第?
■思考のカルマを規定する3要素、1人の中にたくさんの個を抱える新人類
■二人羽織、主観体験、lim_Δ→0
■ウサギの穴を行き来する——虚構と現実の同一視
■環世界を行き来する——動植物のインターネット
■フィルターバブルとエコチェンバー
■バブルとバブルをつなぐもの
■人間の分かり合えなさ、あるいはATフィールドを溶かすこと
■能動的誤配と環世界の観光
■共感と智慧
■一緒に踊れば仲良くなれる?
■ジャック・マーの予言と人類補完計画
■自由意志は存在するのか
■複雑性のカオス——動物の好奇心、人間の知性
■決定論的世界と中動態

第6章 未来を創造する——2050年自己複製化[マルチスレッド]と死の克服
■クララに心を移植できるのか?——カズオ・イシグロと人の複製化
■DNAとしての体験ログ
■分人と神
■ミームを集める重要性
■ニューラルネットワークと深層学習
■知性を生み出す3要素
■「並列」から「平行」へ——人類のマルチスレッドライフ
■2022–2025年 体験からハイライトを抽出する
■2024–2026年 体験を切り替えユーザーに最適化する
■2026–2029年 自己実現と人格形成のモデル化
■2030年代 並列的な生——複数のアバターの自律的体験
■2040年代 自発的な知性のデータ化
■2050年代 平行的な生 ——知性の移植、身体の制約からの解放
■死の克服——クラウドを彷徨う人間の知性たち
■早送りの人生体験と人類の走馬燈

終章 未来を生み出すための物語
■欲、想像、社会的受容
■「二十世紀の豫言」——報知新聞の未来予測
■加速する社会需要と未来の発明プロセス
■SFがテクノロジーを実装する
■アイザック・アシモフ——「2014年世界博覧会」は実現したか
■失われた30年と渇望された想像力
■残り続ける疑問点 ——個や知性のありか
■ブルシット・ジョブが人類の滅び?
■主体性と虚構で世界を書き換える

内容紹介

細田守監督推薦!(『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』)

「この先に何が起こるか玉城絵美に聞くがいい。
彼女は暗闇の世界を根こそぎ変え、
目も眩むような未来を作ろうとしているのだ」


生まれながらの身体を離れ、スキルをインストールせよ!
ロボット、バーチャルキャラクター、すべての人間がアバターとなり
一人の体験が、人類の体験になる——

仮想空間[メタヴァース]に身体性をもたらすことで現実との融合をはかり、すべての人びとが身体と体験を共有し合う世界の実現を目指す気鋭の情報工学者の「思考」と「実践」とは。

米TIME誌「世界の発明50」に選出されるなど
いま世界が注目する研究者・起業家による「テクノロジーの最前線」と「未来予測」! 

著者プロフィール

  • 1984年沖縄県生まれ。H2L, Inc.創業者。 早稲田大学理工学術院特任准教授、琉球大学工学部教授。 サイバーとリアルを融合させ、バーチャルキャラクター、ロボット、ヒトが身体情報と体験を相互共有(BodySharing)する世界の実現を目指す。琉球大学工学部情報工学科卒業。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了。東京大学大学院学際情報学府で暦本純一に師事。コンピュータとヒトの間の相互作用を促進するHCI(Human-Computer Interaction)の研究開発に取り組む。2011年ヒトの手をコンピュータで制御する装置PossessedHandを発表。米『TIME』誌で「世界の発明50」に選出。2012年H2L,Inc.を起業。世界初の固有感覚を伝達するゲームコントローラUnlimitedHand、固有感覚のセンシングシステムである筋変位センサFirstVRを発表。BodySharingの産業導入を進めている。

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