序章 誰か一人の体験が世界を輝かせる
■体験共有による人類としての進化
■シングルスレッドライフからマルチスレッドライフへ
■感覚情報の共有
■TikTokは未来を示す
■固有感覚の伝達
■HCI(Human-Computer Interaction)
■BodySharingとSociety5.0
第1章 感覚伝達とインターフェース ——新しいメディアの創造
■人とコンピューターの境界——インターフェースの歴史
■人は体験を伝え合い進化してきた——人類と感覚伝達の歴史
■世界に作用するための「固有感覚」
■体験は人間と人生を変える——入院生活で出会った人びと
■手術後の覚醒、プログラミング、複雑系工学
■筑波大学のBodySharing原型ロボット
■ロボットから人の探究へ
■意識を移動する——体験共有と体験蓄積を可能にするもの
■自分の身体と感じるために——身体所有感と身体主体感
■ラバーハンドイリュージョン——拡張する身体感覚
■共鳴する感覚が臨場感をもたらす
■車、ラジコン、ゲームのキャラ——操作における視点とリアル
■身体所有感と痛み——アムロはなぜ叫ぶのか
■ヴァーチャルとリアルの区別ができなくなる
第2章 BodySharing ——体験を入出力する未来のデヴァイス
■BodySharingとはなにか
■テレイグジスタンス、テレプレゼンスロボット、アバター、人間拡張
■マスタースレイブ方式——マテリアル・ガールでいい時代?
■プログラミング、「フジ子さん®︎」、BodySharing
■人はインプット・アウトプットで出来ている
■人の学習サイクル——試行錯誤と反省の「閉回路理論」
■世界をデータ化し、出力せよ——センサとアクチュエータ
■マルチタッチパネルの革新性
■パソコンでなく人間の性能が問われる時代
■変化する情報入出力の場所
■「体験の蓄音機」と「こっくりさん」
■『マトリックス』のスミスがみんな自分に変える理由?
■PossessedHand——憑依される手
■UnlimitedHand——ヴァーチャル空間に触れる手
■FirstVR ——私のすべてをデータ化するセンサ
■FaceSharing——私らしさを遠くに伝える
■HoloD——自分の存在感だけをオフィスへ
■ジブンハウスとBodySharingのある家
第3章 サイバーとフィジカルが融合する世界
■労働から解放された先に人間が望むもの
■Industry4.0とSociety5.0 ——テクノロジーの側面からみた社会構造の変化
■スマートシティ——データで社会課題を解決する都市
■UberのようにBodySharingする未来?
■個人の知をみんなのものに——サイバーとフィジカルの融合
■Society5.0の背景——科学技術の衰退と再建
■オープンイノベーションから「個の解放」へ
■知的資本主義、ビッグデータ、無形資産
■ムーンショット研究開発制度とは
■NASAのイノベーションモデルTRLの10段階目
■アバターを用いた「新しい生活様式」
■人間拡張とBodySharingの違い
■脳のインターネット——BMIの基礎
■イーロン・マスクの特異性
■侵襲型BMI開発の裏には何があるか
■集合知は監視社会?
第4章 変容する脳と身体——ポストヒューマンへの解放
■アンドレ・グーラン——身体機能の「外化」が知性をもたらす
■すべての年齢の子供たちへのパーソナル・コンピュータ
■ホムンクルスが示す研究の未来
■第3の手は誕生するか
■人間が複数のアバターを操るために
■エンハンスメント——テクノロジーで脳を鍛える
■脳からの解放——スキルをインストールせよ
■テイヤール・ド・シャルダン——知性の進化のその先に
■鳥のように飛び、チーターのように走る未来? あるいは蛾のロボット
■人間は動物の身体を使いこなせるか
■牛になって搾乳される ——人間には無い感覚の共有
■生理の体験共有でジェンダーを超えられるか
■千手観音、ホモ・ムルタ
第5章 溶け合う心と知の変容——データ駆動社会における能動的誤配と自由意志
■人間の多様性はインターフェース次第?
■思考のカルマを規定する3要素、1人の中にたくさんの個を抱える新人類
■二人羽織、主観体験、lim_Δ→0
■ウサギの穴を行き来する——虚構と現実の同一視
■環世界を行き来する——動植物のインターネット
■フィルターバブルとエコチェンバー
■バブルとバブルをつなぐもの
■人間の分かり合えなさ、あるいはATフィールドを溶かすこと
■能動的誤配と環世界の観光
■共感と智慧
■一緒に踊れば仲良くなれる?
■ジャック・マーの予言と人類補完計画
■自由意志は存在するのか
■複雑性のカオス——動物の好奇心、人間の知性
■決定論的世界と中動態
第6章 未来を創造する——2050年自己複製化[マルチスレッド]と死の克服
■クララに心を移植できるのか?——カズオ・イシグロと人の複製化
■DNAとしての体験ログ
■分人と神
■ミームを集める重要性
■ニューラルネットワークと深層学習
■知性を生み出す3要素
■「並列」から「平行」へ——人類のマルチスレッドライフ
■2022–2025年 体験からハイライトを抽出する
■2024–2026年 体験を切り替えユーザーに最適化する
■2026–2029年 自己実現と人格形成のモデル化
■2030年代 並列的な生——複数のアバターの自律的体験
■2040年代 自発的な知性のデータ化
■2050年代 平行的な生 ——知性の移植、身体の制約からの解放
■死の克服——クラウドを彷徨う人間の知性たち
■早送りの人生体験と人類の走馬燈
終章 未来を生み出すための物語
■欲、想像、社会的受容
■「二十世紀の豫言」——報知新聞の未来予測
■加速する社会需要と未来の発明プロセス
■SFがテクノロジーを実装する
■アイザック・アシモフ——「2014年世界博覧会」は実現したか
■失われた30年と渇望された想像力
■残り続ける疑問点 ——個や知性のありか
■ブルシット・ジョブが人類の滅び?
■主体性と虚構で世界を書き換える